絵の展覧会

絵の先生の、展覧会に行った。
秋葉原からひとつJRを乗り換えると、
そこはガード下の下町だった。
地図にある、古い果物屋さんで道を聞いた。
おそるおそる、飲み屋さんの間を歩いてゆくと、
洒落た画廊の灯りがあった。
画廊にはいろんな絵がつるしてあって、
赤ワインと白ワインとウーロン茶と、
プレッツエルとレーズンの全粒粉のクッキーに、
きな粉入りのピーナッツバターと
キィウイのジャムが
添えてあった。
先生は少し遅れて来た。
きちんと趣味のいい服を着こなした人達にかこまれて、
雑談をしながらコーラを飲んだ。
詩の打ち上げ会より、
雰囲気がやわらかかった。
絵は喋らない。
絵は議論しない。
絵はただ黙って主張する。
私は、
ここに来てよかったなと思った。
帰りの電車では、
カップルが沢山これからたぶん夜を過ごす前戯として、
いちゃいちゃとスマホをいじりながら会話をしていた。