あなたに

真夜中の足跡

誰も知らないけど私は知ってる・・・あなたが気付かずに砂浜につけた足跡あなたの彼女は知らないあなたの母親も知らない私だけが多分知ってるぶきっちょなあなたが知らぬうちに真夜中の海辺に残したぽっかりとした足跡

あなたには分からない

あなたには分からない体ががくがくする朝膝がふるえる昼心が痛む夜なんでもテキストで分かろうとしないで理屈を頭に詰め込まないでもっともっとフィーリングで感じて男には無理なの・・・?あなたには分からない私の心に打ち込んだ楔の強さ私の体に埋め込ま…

アサーティブに

はっきりと口に出して言えたらあなたのやった事知っているとあなたの音読させた本とても傷ついたとあなたの事とてもとても好きだったとあなたの今の彼女私はついてゆけないとあなたの不幸知らなくてとてもとてもとても傷つけたと

何も見えてなかった

お互いにうぬぼれてお互いに何もかも知っていると知り尽くしていると本当は何も見えてなかった一番辛い朝一番辛い夜二人共にしていなかったので・・・ごめんなさいお互いに一生傷つくことになりました誰か彼の悲劇を私の喜劇を救ってくださいこんな筈じゃな…

ただ互いに

あなたは言った「人間関係はフィフティ・フィフティだ」と・・・今は本当にそう思う互いに外見や地位に惹かれ知性で分かりあおうとしあまりにたやすく恋に落ちて足元を見ず激しく本質を傷付けあったので男女の間の礼節をお互いに知らなかったので悪い出会い…

あなたに

わたしはあなたに何が出来たのか・・・本当はひどくシャイで傷つきやすい少年のようなあなたの硝子のこころキーキーと鳴らしただけなのではないかと今はそれが気がかりですもっといい付き合い方はなかったのかしらもっといい別れ方はなかったのかしらわたし…

喫茶店でひとり

喫茶店でひとりカフェ・オ・レを飲みながらあなたのコーヒーメーカーで淹れた味とひそかに比べてみる清潔好きなあなたの短い指が淹れた珈琲苦く甘くあなたの背中を思い出す古い本のカビの匂いが混じったどこの本好きのマスターより懐かしく知的な香りがした