2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

恋愛によって人間は変わるか?〜「男流文学論」

この本は、一応フェミニズムの本と言う事になっているが、語られている内容はもっと深い。それは一言でいうと、「恋愛なる幻想」について語っているかのように思える。 確かに。恋愛によって人間は高揚し、一瞬の深い快楽が得られるけれども、それが人生の全…

フライパンで殴りたい〜「きのう何食べた?」

世の中には、どんなに好きでも、一緒に暮らしたくない男と言うのがいる。・・・唐突で、申し訳ないが、この短編集の主人公、筧史朗は、まさしく私にとってそういうタイプかと思われる。 実は以前。ある男性を、その男性愛用のコーヒーメーカーで「殴り殺した…

回避依存症者〜「男は寡黙なバーテンダー」

私は、森脇真末味と言う人の素顔を(当然の事ながら)知らない。・・・が、おそらくかなり男っぽい人なのであろうと言う事は、作風から何となく想像する。で、その中の傑作がこの「男は寡黙なバーテンダー」である。 ・・・作家と言うには、もちろん想像から…

父の影〜「赤い袖」

今市子の、たった4Pのフルカラーの短編。で、あるが、この内容は2時間ドラマの内容のような濃密さである。それほどに、作家の手腕が遺憾なく発揮された作品である。 主人公・暁子は、おそらくは地方の旧家で父親と二人暮らしをしている。父親は、画家かあ…

親は子供を愛するか?〜「Blue Moon」

いきなりのタイトルで恐縮だが、森脇真末味という人は、作家生命を通じて、この主題を追った人のような気がしてならない。で、その集大成が、この「Blue Moon」であるような気がする。 で、ここで出ている答えは、「NOの場合もある」でしかないよ…

マジョリティ

あなたはマジョリティ よく笑い よく食べ よく稼ぎ よく太るようになり 教科書どおりのことを言い それと正反対の嫁を持ち 理論武装して マイノリティを排除し ニートの子供を持ち 人間には強さと前向きが全てだと言い 私の大嫌いな マジョリティになってい…

ホテル・Kでつかまえて

繁華街のホテルで 戯れに鬼ごっこをして 若さと体力に秀でた貴方が あっけなく勝ったけれども 世間の鬼になった 貴方には 2度と詩が書けない 気の利いた結婚式のスピーチや 回りを唸らせるミーティングでの発言は出来ても 私はまだ詩が書ける どんなに男に…

爪跡

別れた男はいつも爪跡を残したがる躰に携帯にブログに確かに俺と言う男が存在していたと忘れた頃に一度は爪跡を残したがる

浮気と言うアディクション〜「すこしだけ意地悪な告白」

私は、結婚と言うものをした事がない。よって、浮気と言うものについて語る資格も本来ないのだが、この作品を読んで、少し書いてみる気になった。 「浮気」というのは、要するに一種のアルコールと同じであるらしい。・・・最初、よく働きながら、しかも家庭…

自分は変えられない、他人も変えられない〜「大人の問題」

なんか、当たり前のようなことをレビューの題名にしてしまったが、今市子と言う人の基本スタンスはこれだと思う。 人は、基本的に変えられないし、自分と言うものもそうそう変わるものではないのだが、得てして「変えられた」かのように錯覚する瞬間が世の中…

日々の翠

働いていると 色々な事が 心に染み通るようによく分かってくる 人の心ばかりを 玩んでいるのは 不幸な人達だ 日々の翠が色付く様に 色んな事が 哀しい様に分かってくる

一人でいると

一人でいると あなたの事ばかり あなたの事ばかり あなたの事ばかり 考えている 昼も夜も あなたの事ばかり 考えている とても甘くてつらい

夜がつらい

夜がつらい 昼間はいい・・・ 働いたり 他愛もない世間話をしたり 突っ張ったりしている内に 夜が来る ベッドの中で 貴方のことしか考えられない 秘密の恋 とても心も身体もつらい 夜が明けるのを ひたすら待つしかない

いつの間にか

いつの間にか 自分は一人ぼっちではないと 思えるようになった あなたのお蔭です ありがとう あなたともっと付きあえば もっと色んな事が分かったと思うのだけれど 勇気がなくて 出来なかったです あなたの荒療治はひどく効いたよ ドクター 本当にありがとう

天下無敵のバカップル〜「佐々木夫妻の仁義無き戦い」

この作品、めっちゃ面白かったので、レンタルDVDが出たら、それでよく見直してからレビューを書こうと思っていたら、いつまでたっても近所のDVD屋に出てこない。そんでもって、曖昧な記憶だけで書いていますが、そこんとこよろしく。 佐々木夫妻(稲垣…

上を向いて歩こう〜「華麗なる一族」

なんか、皮肉極まりないレビューの題名になってしまいました。が、別に他意はなく、(嘘)本当に、この人気TVドラマの中で、「上を向いて歩こう」が唄われているから、カキコしただけなんだけど。 この主人公、鉄平(キムタク)を見ていると、人間、「上を…

全てはフィクション〜「午後の曳航」

三島由紀夫の作品は、これしか真面目に読んでいないのが全く情けないが、例によってお許しを。 三島と言う人は、一言で言って「この世の全ての真理はフィクション」である、と、くそ真面目に信じ続けた人であると思う。・・・彼にとって、真実とは、美しい男…

母なる存在の否定〜「羅陵王」

あまり、この作品自体と関係ないレビューの題名になってしまったかも知れないが、どうか毎度お許しを。 この作品の主人公、トゥネは、外見は小娘だが、実際は200才を過ぎていると言う、老練な政治家であるという設定になっている。・・・厳密に言うと、主…

公園

小さい頃から 皆が遊ぶ明るい公園と運動会が嫌いだった どうやって 走ったらいいのか 笑ったらいいのか 友達を作ったらいいのか 分からなくて 母によく叱られた 本当は 強くて眩しい太陽も嫌いだった そんなお父さんが 本当はとても欲しかった

アイシテル

晴れた穏やかな午後が さみしくて嫌いだと言っていた あなたが好きだ えらく辛抱強く悩みを聞いてくれた あなたが好きだ 初めてわたしを理解してくれた あなたが好きだ アイシテル アイシテル 何度もからかって悪口言ってごめんね

famaru

自分が女らしくあるためには どうしたらいいのかよく分からない・・・ いつも 一家の大黒柱をやって来た 母は witchのような女性で 私が自らを女の流れに任そうとすると 邪魔ばかりする 間違った指示を与える だから人に素直にどうしたらいいのと 聞け…

5W1H〜「家族カウンセリングの技法」

アドラー心理学に、初めて出会った本。 これは、一言で言って、非常に感激した。感動ではなく、あえて感激と言う言葉を使わせてもらう。 ・・・個人的なエピソードになるが、私は4才の頃からカウンセラーに親が自分を預けっぱなしの人生を送っていた。で、…

くそ真面目な女のコメディ〜「マダムとお遊戯」

・・・レビューの題名と、漫画の内容が相反するものになってしまったが、あえてお許しを。 自分はつくづく、くそ真面目な女であると最近思う。色々自己韜晦はしているが、実際には不倫とか一切出来ない。(これ本当。)もちろん、一夜限りのアバンチュールと…

妻こそ同志〜「武士の一分」

2006年、話題をさらった木村拓哉&山田洋次の初コンビ時代劇。 ここで、キムタクとは、華のある俳優だなと改めて思った。特に、ちょんまげが似合う訳でもなく、着物姿がやたらと絵になる訳でもないのだが、それでも、質素な毒見役姿でも、5人並べばその…

現代のファム・ファタール〜「ヘルタースケルター」

ご存知、岡崎京子巨匠の、最後の長編。これを最後に交通事故に遭い、リハビリの人生だそうで、あまりに不吉な作品であるので、今まで取り上げるのをためらっていたが、今回何故か書く気になった。 この主人公、りりこの不幸は、整形してスターになったこと自…

成人儀式〜「UNDER」

・・・森脇真末味の、最高に難解なSF。これを最後に、彼女は少女漫画を描かなくなる。 ここで、男の子ばかり主人公にしてきた彼女が、初めてショートへアの「ノヴァ」なる女主人公を出しているのだが、その後の短編集「ユージーン」では、もはや大人の女性…

スピリチュアル

自分を 初めてスピリチュアルに 理解してくれた人を 好きになるのは 愛し合いたいと思うのは そんなにいけない事かなと思う・・・ その人は 毎日人を生まれさせたり 逆に命を絶ったりしている人で 女のことを知り尽くしてる 冷たい陰のある 眠狂四朗のような…

海へ

海へ安らぎの水を求めてまわり中を炎に巻き込んで走り出した自分貴方のもとへ貴方と言う安心を求めてひたすら火炎球のように走り続ける自分

従う

何度となく貴方の誘いを断ってごめんなさいずっと怯えていた帝王のような貴方の存在に女は自立するものだと何時から誰が決めたのかこの心も躯もただ貴方により従う

耐える

耐えることが必要なのかもう一度逢うためには毎日毎日の詰まらない仕事をこなしながら想いを押し殺すことが必要なのかこの疼く躯を抑えてただ連絡を待たなければならないのか