2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

本当のこと

時々、支援所にいて憂鬱になる瞬間がある。 私のいる支援所にいる大抵の子は、いわゆる引きこもりに近い子たちである。・・・支援所に来て、仕事らしきものができるだけ、本当の引きこもりと言うのとは少し違うのだろうが、それでも皆二〜四時間支援所で作業…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」について思う事、少々

村上春樹の最新作である。 正直、彼がこれからどこへ向かうのかはよくわからないけれども、自分的に多崎つくるという人物に対して少々思うことは、あまりにも脆弱な気がすると言う事だ。 彼は、一応死んでいる訳ではなく、仕事をして生きている訳だから脆弱…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を初読して

しかし、これは不吉な作品である。「1Q84」をbook3まで読んだとき、私は何故か三島由紀夫の「豊饒の海」が連想されてならなかった。したがって、もしbook4が発売されるならば、それは聖書的世界に、さらに日本性を強く打ちこんだものになるだ…

五月

彼女は昨日恋人と喧嘩をした それはとても悲しく思えて彼女はお風呂で泣いた それから初夏の化粧をオイルで落とした後 深夜に小説にその経緯をつらつらと書いた 彼女は朝起きる それから白いシャツを洗濯する 匂いのきつい柔軟剤をたくさん入れて それから全…

問題児のプロたち

思い出すと、私が回復途上にいるとき、助けてくれたのは「問題児のプロたち」だった。 こう書くと、「問題児を扱うプロなの?」と誤解されそうだがそうではない。・・・むしろ逆で、本当の援助職のプロと言われている範疇からはみだした、「援助職の中のはみ…