2011-01-01から1年間の記事一覧

突き詰めないこと、こらえること〜「ストレンジャー」

今年の終わりに、「君は物事を徹底的に追及するから怖い」と、言われたことがあって、自分でも少し考えた。 私の母は、ものの分からない人である。・・・それでも、私もだんだん、遅すぎた青春を取り戻している内に、母の弱さや貧しさから来る痛みが、多少は…

生きる

人に、大事にされるようになって 私の世界は、少しずつ変わっている 自分を大事にするということ 他人を小馬鹿にしないということ 弱い人、みにくいものを憐れみの心を持ってみるということ 誇りを持つということ 信頼できる人にたよるということ 信用できる…

わたしの幼い頃

わたしの幼い頃 家には本がたくさんあった 居間のつくりつけの本棚の他に 各々の部屋に本棚があり 納戸に本棚があり 階段の踊り場にまで本棚はあふれていた だから 階段は足元に気をつけて昇らねばいけなかった 幼いわたしは ナツメソウセキとか アクタガワ…

就労支援所

疲れ果てた 蒼白い顔、顔、顔、なかなか動かない手足、 休憩ばかりの調理実習、 皆、腰を降ろしてはだるい体を懸命に動かしている 「またさぁ 薬増えたんよ 今度は一日30錠だって」 午前中働くだけで疲れ果てて ビルの裏にこっそり、煙草をふかしに出掛け…

被災とは、回復とは。〜「希望の轍」

きのう、私は福島の彼に言った。 「私、回復しようと努力してる。でも、病気になる前の頃のように、元に戻すのは、すごく難しいの」 彼は言った。 「それはそうさ。例えば、放射能除去なんて言うけれど、 俺の目の前にある山だって、全部放射能を取り除くに…

鬱は勝つ

心配ないからね 君の憂いが 誰かにとどく昨日はもうない どんなに楽ちんで頑張りたくても 疑うことを決してやめないでCarry on carry out 甘え甘えられて 憂う喜びに すこしもたれても Oh…Oh… もう一度疑おう 甘えるかなしみを知っているのなら Oh…青空に太…

『非現実的な夢想家』の行きつくところ〜「夢の中へ」

なんか最近、考えてしまったこと。 「非現実的な夢想家」として、歩いて行こうって、どういう事だろう。 井上陽水の、「夢の中へ〜夢の中へ〜行ってみたいと思いませんか」を、つい思いだしてしまったのだけれど、要するにそれって、「お母さんを求める子供…

細胞

放射能の降り注ぐこの街で 僕らは 白髪葱のかかったジャージャー麺を食べたり 電車で財布をすられたり 人に裏切られたり タピオカの入った紅茶を飲んだりしながら 生きている 確かに生きている 僕らは 鯖の味噌煮を作ったり 人の書いた小説を読んだり 枝豆の…

聖フランチェスコの祈り

私をあなたの平和の道具としてください 憎しみのあるところには愛を 諍いのあるところには許しを 分裂のあるところには一致を 疑いのあるところに信仰を 誤っているところに真理を 絶望のあるところに希望を 闇に光を 悲しみのあるところに喜びを もたらす者…

他力本願〜「finalventの日記」

私は、多分よく分かってなかった。 ヒッキーから抜け出せなかったのは、私が「自力本願」だったからだ。 自分一人の力では、人は何も出来ない。 少なくとも、喰っていくことは出来ない。 誰かが言ってた。「世間様に、喰わせてもらっていると言うことを忘れ…

太宰治の分からなさ〜「世界は二人のために」

これは、私が多分、太宰治を全く理解出来ないので、(・・・正直言って、2〜3行読んだだけで、どの作品もうんざりすると言うより、訳が分からなくなってしまうのである)一種の「誤読」論として、悪しからず読んでいただきたい。 私が、太宰のどこが理解で…

なしてもならない〜「TOO LATE」

女と言うのは。(かく言う私も、女だが)何故、よりによって、(あの超馬鹿ウルトラポジシン女性がその代表であるが、)「成せばなる」と言う、哲学を信じたがるのであろうか。 成せばなると焦るほど、何事も成せない。 多分、(これは私の邪推だが)毎日、…

つまらない女〜「ナチュラル・ウーマン」

回復とは、つまらない人間になる事かと思っていた時期があった。 恋は楽しい。・・・アディクションは楽しい、面白い。そう感じていた時期もあった。 でも。 慣れて来ると、段々しらふの生き方の方が、楽だし心地よくなってくるものなのである。 もちろん。 …

哲学と文学と宗教と〜「イマジン」

自分は、99%は共依存否定派だが、1%は肯定派だと思う。 共依存と言うのは、悪い酒のようなもんなんじゃないかと思ったりもする。・・・しかし、じゃぁ哲学的に考えて、そういう「悪い酒飲み」を社会から、全追放することって可能なのか。 NOだと思う…

全てのDV男はホモである〜「ラスト・フレンズ」

いきなりのタイトルで、申し訳ありません。 しかし、これは私の脳裏に最近ふと、ひらめいた「真実」である。・・・何も、DVに限らない。女の子を虐待する父親とか、DVに走る男とか、強度のSM趣味のある男とか、(・・・ちなみに、男性の方がMであるケ…

生きとし生ける女たち〜川口晴美「lives」

川口晴美の「lives」を読んだ。 多分、私はまだこの人の境地に追い付いていないし、きっと行きつくところも違うのだろう。・・・でも、ここには都会に生きる女にとって、刺激的なフレーズがいくつも織り込まれている。 万引きをした14才の少年に向かって、…

死ぬには年を取り過ぎて

お母さんお父さん あなたたちが望むように 階段から転げ落ちて あるいはビルの8階から飛び降りて またはシャンデリアに紐をつって 死ぬには わたしは年を取り過ぎた 階段から転げ落ちて 誰が掃除をするのでしょう ビルから飛び降りて 部屋の資産価値はさが…

わるい遊び

私はおとこと1時に待ち合わせをした 携帯をまさぐっていたら横顔をいきなり覗かれた 私たちは 串カツを並んで食べて肩を寄せ合った 玉葱をたべてイベリコ豚を食べて男根のようなアスパラガスを食べた それからチャイティーを飲んで桜色の爪先をいきなり触れ…

オタク主婦のやるせなさ〜「ふがいない僕は空を見た」

これですが。 まず、のっけから何だけど、最初読んだ時は「なにこれ」でした。・・・要するに、欲求不満の、コミケ常連の主婦(注・アラサー)が、自分の憧れのアニメのキャラそっくりの高校生君と出会う。誘惑したところ、高校生君はほいほい「やって」くれ…

東日本大地震雑感〜「君が代」

ひっきー、こと勤労の義務を果たしてない(正確には、今就労支援所で月に500円働いてますが・・・)非国民の、独り言である。 いや、今回の地震騒ぎにおけるブログシーン、はっきり言って何やら気味が悪い。まるで、「一億総同胞」の状態に、完全に戻った…

房総の海

詩のサークル仲間で、房総半島へ行った。 冬とも春ともつかぬ海は、寒くて広くて大きかった。 仲間と一緒に、岩を越え越えあてどもなく歩いた。 先生はただ孤独を祝うように佇んでいた。 私は今まで、居る場所なんてなかった。 でも、これからは例えどんなに…

あおいねこ

あるところに あおいねこが一匹いました あおいねこは 生まれたときはしろいねこでした でも しろいねこの飼い主のおとこのこが うっかり 万年筆のインク瓶を しろいねこの あたまからしっぽまで ぶちまけてしまったので しろいねこは 真っ青なねこに なって…

ベトナムの「回復」〜「ノルウェイの森・仏ベトナム版」

映画「ノルウェイの森」を見て、どうしても考えざるを得なかった事がある。 それはずばり、ワタナベ君が、直子を抱いた事はよかったのか悪かったのかと言う点である。 普通に考えれば、これは直子の閉ざされた心が、外へ開いて行くひとつのチャンスでもあっ…

タフな女〜「毎日かあさん」

「毎日かあさん」(映画版、小泉今日子&永瀬正敏)を、見に行こうと思っている。 これまで、どちらかというとそんなに好きでなかった西原理恵子(漫画作品自体はすごく好き)であるが、今回、その壮絶な半生をたまたま知って、やはり見直さざるを得なくなっ…

神を知らない悪女〜「嫌われ松子の一生」

・・・一時期、この映画は結構好きでよく見ていたけれど、ある時(具体的に言うと、中島哲也監督が「告白」を撮ったと聞いてから)何だか、真面目に見られなくなった。 この主人公、松子さんのおかしいところは。 一言で言って、(トルコ嬢はまだ、ともかく…

文化的焼け跡の風景〜「第61回紅白歌合戦」

ちょっと遅れて来た感想だが、昨年末の紅白歌合戦を見て、思ったこと。 なんだか、紅白の舞台が「学芸会化」しているのである。・・・中学生の集団みたいな(←これは、昔の「老けた大学生」を見慣れた父の言であるが)AKB48が、芸とも言えないような芸…

BL女のくらたまバッシング〜「少女A」

さて、突然ですが、ふと考えた事。 BLファンの、くらたまバッシングを読んでいて、ふと思ったのだが、「こいつら、同じ種族の裏表なんじゃないの?」って。 くらたまは、一言で言って「馬鹿な女」である。・・・そこを、「可愛い女」だと思う人もいるのか…