2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

会議

「困ったことだ」 「うむ、困ったことだ」 「彼らは、自分で何でもできる気になってい る・・・まるで、我々と同じように」 「うむ」 「出来ないからこその、彼らだったのに・・ ・。どうやら、我々の『教育』を、真に受け たようだ。」 リーダーが、嘆息す…

第3次世界大戦

鳩山首相が、進退をかけて出した法案、 「日米安保条約破棄」。これによって、第3 次世界大戦が勃発した。 俺の、鉄鋼会社は、日本産の戦車を作り、 成長した。俺は夢見た。「世界は変わる」。 その、通りになった。 日本は、必死の抵抗も空しく負けたのだ…

ボクサー

俺はしがないボクサーだ。少年時代は、ス トリートファイトで懸賞金をもらって食い繋 いだ。やがて、リングにデビューした俺は、 何度も何度も打ちのめされながら、絶対に倒 れない不屈のチャンピオンになった。 時は流れる。30になった俺は、いつしか 「…

空腹

俺は、今天才の気分だ。何故なら、絶対に 食物がなくならない方法を考え出したからだ。 まず、ケーキを半分に切って食べる。次に、 それを更に半分に切る。そしてまた、半分を 半分に切る。・・・こうすれば、何時まで経 っても半分の半分のそのまた半分が残…

うふふ

あたしは、可愛い子ちゃんと呼ばれて育っ た。1番目の夫は銀行マンだった。あたしは、 親友を巧みに誘惑して、夫と浮気させ、その 証拠写真を盾に、離婚して慰謝料で、マンシ ョンを1戸手に入れた。 次の夫は、医者だった。息子が一人出来た けど、あたし…

征服

小学生の頃。俺の夢は、世界を征服して、 第2のヒットラーになることだった。しか し、俺は先生に叱られてばかりの洟垂れ小 僧で、第3志望の大学にも入れなかった。 結婚して、ささやかなサラリーマンにな った俺の次なる夢は、関白亭主になること だった…

ウォーキング

30にして、早くもメタボ予備軍に入った 俺は、愕然とした。早速、ウオーキングを始 めなければ。・・・3カ月で20kg痩せる には・・・。計算すると、会社まで毎日片道 3時間を歩くのが最適だ。 俺は、頑張った。昼は、会社では殆ど眠っ ていたが、そ…

借金

あたしは、20の時、うっかり同窓会の2 次会で、足を踏み入れたホストクラブ通いが、 すっかり癖になり、1000万の借金と一人 娘を抱えて、夫と離婚した。 あたしは、しゃにむに働いた。昼は派遣、 夜は会社に隠れた水商売。・・・そして、縁 あった人…

第3次世界大戦の予感〜「おまえのやさしい手で」

いきなりで恐縮ですが、日本と言う国は。「黒船」で1度レイプされ、更に第2次世界大戦で、そのレイプされた相手と、無理やりDV結婚させられてしまって、もう国全体が一種のストックホルム症候群、という状態であって過言でないように思える。 確か、佐藤…

ぶす

「ぶす」「不細工」と、散々ののしられた あたしは、やっとの思いで、ハンサムな夫を 手に入れた。有頂天なのもつかの間、生まれ たのは、自分とは似ても似つかない美人だっ た。 悔しい。あたしは、娘に似あわない服ばか り着せた。「美人、美人ていわれて…

優しい

私は、いつも親から周囲から、「優しい子 ね」と言われて育ちました。内心、それがと ても得意でした。 大学は、福祉学科を選び、まっすぐに精神 福祉士になり、障害者のお世話を、小さな作 業所でするようになりました。夫は、そこで 知り合ったスタッフで…

栄光

俺の親父は、頑固者だった。 「何故、こんな事も出来ん!」 俺は決心した。・・・いつか、T大に入る。 そして、金をがっぽり儲けて、女に何不自由 ない医者になってやる。 俺はがり勉した。教師には媚びへつらった。 弱い奴は虐めまくった。 合格通知の春。…

なわとび

夫が、首をつった。 幸手に、20年ローンの庭付き一戸建てを 買って、引っ越したあくる朝に。 「俺はもう疲れた」と、一言だけ遺書を残 して。 あたしたち家族は、毎日毎日、天井のシャ ンデリアからぶらんと垂れた縄の下で、ご飯 と味噌汁を食べた。次の日…