暗黒大陸の唄

私と言う女は、 男を「愛」することは滅多にない。 ただ、 ある時、 男の全てを赦し受け入れるだけだ。 私が、 男を「愛」する時、 私はもはや「女」ではなく、 何かどこか違った遠い星の「人間」である。

聖家族飼育

へーベルハウスの一室で 姉貴がおかしな事をはじめた 部屋に閉じこもってひたすら祈りを唱えているのだ 「神様私にお与えください 変えられないものを受け入れる落ち着きを 変えられるものを変えてゆく勇気を」と それから ふっつり姉貴は家族と食事を取らな…

散乱する光のもとに

人に、善と悪あり空に、青と橙あり夜空の向こうに、月と星あり地に、人間と自然あり良きことに畏れあり罪あるところに幸いあり多くの善人に罰あれかし全ての悪人に救いあれかし

平穏

あの人はあの人 私は私 それで、いいと思うようになった あの人が、幸せであることすら 特に、私は期待しない 幸せであって欲しいとは、思うけれど・・・ あの人の、過去は過去 私の、未来は未来 それで、構わないと思うようになった ただ 願わくば、 あの人…

素直になりたい

素直な娘になりたい「好きになって」って言いたい「捨てないで」って叫びたい楽しくSEXして「いつも一緒にいて」って甘えたい自分には無理なことなのか居場所が欲しい素直な自分を誰か包んでくれる人にとても会いたいそしたら親友に親に捨てられても構い…

忘れる

だんだんと忘れていくこと・・・日々のくだらない仕事や女友達とのお喋りやたわいない買い物に紛れて運命の恋を忘れていくことそれが現実を生きていくこと社会に適応すること信仰をもって老いてゆくこと

空いたクローゼット

何人もの男の人が私の心の上を通り過ぎたけれど誰も口約束ばかりで金のペンダントをくれるとピンクのバッグを買ってくれると本当は誰も私のためには何も買ってくれなかった空いたクローゼットが酷く物悲しい空手形の連続にいつも正論ばかりで可愛くない自分…

あのカフェ

お金あんまりない日もどうしてもあのカフェに寄っちゃうよ抹茶のスイーツを食べちゃうよそして窓際からあのホテルを見つめます夕方も昼間もあなたが酷く乱暴にしたあのホテルを人生の初めて楽しかった経験としてあなたがもう決して立ち寄らないこの街で未練…

知らなかった

知らなかった泣いていいなんて知らなかった怒っていいなんて知らなかったあなたを怨んでもいいなんてやり直したいって思ってもいいなんて捨てられたって悔しいって言ってもいいなんて自分のマイナスの気持ち何も知らなかったです

あなた

あなたと生きてゆくことは・・・ たとえ一瞬でも たとえ騙されたのだとしても 私の生きる意味だったのに それが 世間から見ればくだらない火遊びでも ただのベッドの戯れでも わたしにとっては 大事な宝石のような生きる意味だったのに 何故 世間を知った人…

死んでゆく

いい人達の言う事を聞いて いい人の書いた教科書を読んで 明るくひたすら仕事して カウンセラーが「意味がある」と言う事をして 教会の教えにひたすら従って 毎日きちんと僅かな金を稼いで 友人を沢山作って会話して 何のために生きているのか皆目分からない…

明るい場所

暗い暗い地下室から いきなり明るい場所に出て 表がどうなっているのか 私の暗闇に慣れた瞳では 私の地下室で萎えた足では 恐怖で竦んだ心では 誰に何を聞いたらいいのか どうやって歩いたらいいのか いい人と悪い人をどうやって見分けたらいいのか まるで分…

乾いた瞳

乾いた瞳で 私は泣いた あなたのために ただ泣いた あそこから沢山血を流し あなたの孤独のために ただ泣いた Weep for you

地下室

ずっとずっと実の父と母がわたしの存在を恥じ恐れていたのだと今はくっきりと分かる誰もがいい親だと言ったいいドクターだと言った1日に40タブレット薬を飲ませても知って知らぬふりの友人ばかりでも地下室に閉じ込められた少女に親切で「いい人ばかりね…

偽王子

王子様をずっと待ってた鉄格子の嵌ったガラス窓の中であなたはわたしの事ふいにさらって行ってくれたけどそれはただ体目当てに騙されただけなのかと思うと男の気まぐれだったのだと思うととても悲しい

あなたの腕の中で

思い切り泣きたかった あなたの腕の中で こわい さみしい つらいと 思い切り叫びたかった どうして いい人の忠告ばかりを聞いたのか いい人はいつも 建前ばかりを言う事に初めて気がついた 今頃 遅すぎる 遅すぎる

マクドナルド

人間の喰う 最低限の餌を配る場所 カロリーはたっぷり 凍りついた笑顔もたっぷり ハンバーガーがたっぷり ポテトもたっぷり コカ・コーラもたっぷり どうですか? コンクリートミキサーに似た機械のこね回した味を スマイル0円でお一つどうぞ

奴隷貿易

人間の価値を丸ごと奪い 家畜に仕立てる事を 「貿易」と呼ぶ 狂った帝国 何も黒人だけではない・・・ 全てのアルコホーリク 全てのギャンブラー 全ての漁色家 全ての気狂いの価値を ミーティングとやらで丸ごと矯正し 真面目に勤労する「家畜」に仕立てる お…

無理解

脳のどこかが壊れた人間に 働けという 教科書を読めと言う 回復しろと言う 大きなお世話です・・・ 私は ただ 恋愛にうつつを抜かす事を好む ベッドで遊ぶ事を好む 詩を書くことを好む 人生の価値など誰にも決められない 社会的評価がマイナスならば それは…