芸術ど根性〜「ハチミツとクローバー」

ここでは、あくまで流し見をしているTVドラマの勝手な突っ込みをさせて頂きます。その旨ご了承の上。

さて、このドラマの真骨頂は、「悲しくったってぇ〜苦しくったってぇ〜キャンバスの前では負けないのぉ〜」つまり「芸術ど根性もの」これに尽きると思う。

実際には、芸術と言うのは、日々の勤労と違って、怠けている時にふとひらめいて出来ることが多かったりとゆうのが往々にしてあるものだと思う。いくら青筋たてても、いい作品が出来るとは限らない。

しかし、この作品はあくまで「はぐみ頑張っちゃう」トーンで貫かれている。現代では、売れない芸術=怠け者、のイメージが定着しつつあることがはっきりしている。

それがもっとも典型的に現れているのは、現代絵画の天才であるはぐみが、才能は無いが、結局(なんと!)「宮大工」を目指す竹本に、事故とはいえ事実上「抜かれる」ことである。

「宮大工」というのは、本来、古い意味の職人稼業であって、現代アートとは根本的に異なると私は思う。「芸術」は直接人様の役には立たないが、しかし人の心を揺るがすもので、それをあえて「ど根性」で「やってやろうじゃん青春だぜ」というこのドラマの基本姿勢は、楽しくもどこか滑稽である。