イケ面とは何か?〜「ハンサム★スーツ」

こないだ、「ハンサム★スーツ」を見た。流石鈴木おさむ、最初から最後まで、映画館の暗さにうんざりする暇も無く笑わせてくれた、泣かせてくれた、感謝。

ところでこの、塚地武雄という俳優。確かに「不細工」ではある。しかし、よく見ると、顔立ちのどこかが特にデフォルメされていると言う訳ではない。確かに太っているが、鼻は低いが鼻筋は通ってるし、目元も(細いが)はっきりしている。要するにいわゆる「キモイ」顔ではないのである。

しかもこの人、女に対してクールな時は結構クール。

対するハラショー。確かに、一見ギリシャ彫刻風顔立ちではあるが、どこか全体の表情が(この映画ではコメデイアンに徹してるせいも確かにあるが、)おかしい。コケている。

・・・例えが陳腐で申し訳ないが、例えばこれがキムタクであったなら、(最近どっと老けたが、)「あ〜俺、どうしてこんなホストみたいな顔に生まれちゃったのか」という”自己嫌悪”が全面に現れているのだが、ハラショーの場合、最初から「俺何てハンサムやん!!」なのである。

したがって(?)。あれだけの美形でありながら、『猟奇的な彼女』(TV版)で、うざいハンサムを演ったときは本当にうざい奴にしか見えなかった。美形度では劣る上川隆也に完全に負けていた。「ファイナルアンサー!」で、あの田中康夫と同じく1千万をGETしたのに、どこか肩書きになってない。

・・・要するにこれは。実は「イケ面の素質を持った不細工」が「キモイハンサム」に変身する映画なのである!!

どこまで、これを心得ていたか知らないがハラショー。今回、ラストのどたどた走りまで、げらげら笑わせてくれた。もっともっと使ってほしい俳優である。