第三の顔

半ば狂いかけていた私を救ったのは

あなたの第三の顔だった

それは練達したカウンセラーとしての冷静な表情

それまで気づかなかった

詩人であり会社員であるあなたが同時に優れた臨床心理士であった事を

思い出して脳裏に浮かべると

どのカウンセラーのネクタイの下にも

私に対する抑えきれない男の激しい衝動があって

それを実行に移しつつ

なおかつ私を病から救い

そしてかつ私とあなたの社会的地位を見事にキープしたのは

パーフェクトに若すぎるあなただけだったと

あなたの頭脳の明晰さと

揺るがないプレイボーイの知恵と手腕が辣腕だった

これはもう

一生あなたのために朝食を作るしかなさそうです

秀でたマッドサイエンティスト達とパワーゲームを繰り広げてきた厄介なクライアントが

若き天才に初めて完敗