YOU’RE MY BEST FRIEND〜「下妻物語」

これは、二人の少女(ロリータ少女とヤンキー少女)の友情物語なのだけれど、実は洋画でこの原典があるので、今回は特別にそちらの説明をしようかと思う。

1980年公開の「タイムズ・スクエア」。・・・タイムズ・スクエアとは、もちろんNYの歌舞伎町とでも言うべき繁華街である。ここで、二人の少女(お嬢様のパメラと、不良少女のニッキー)が、出会って、二人して強制入院させられた精神病院を抜け出し、NYを放浪する話である。

この街随一のDJ,ジョニーも二人の味方で、そんな3人を軸にしながら話は展開していく。

・・・これは、私が実は、一人で見に行った最初の映画で、当時ごきげんのロックの数々(主題歌のロキシー・ミュージックを始め、印象的なラストにかかるビージーズ、他にもルー・リードゲイリー・ニューマン、プリテンダーズと他にも20曲近くの錚々たるメンバーである。)が素晴らしく、特にパメラが生まれて初めて自分を解放して、いかがわしげなバーで可愛いダンスを披露するシーンでわぁわぁ泣いた。

・・・この「下妻物語」は、明らかにこの作品を意識していると思う。・・・しかし、決してパクリではない。深田恭子土屋アンナ阿部サダヲ岡田義徳、宮追博之、篠原涼子生瀬勝久小池栄子、そして樹木希林というものすごいオールスターキャストもさることながら、フカキョン土屋アンナの二人の個性の造形が抜群である。

音楽もいい。さすがに、原典にまけてはならじと思ったのか、世界の管野よう子を起用している。「ふたりなら負ける気がしねえ!」という、ビデオのジャケットのあおり文句もいい。

何だか、内容の説明に全然なっていませんが、あまりに設定が奇妙奇天烈というか、破天荒で、見ていただくしかない作品なのである。・・・全部説明しようとすると、ネタバレになってしまうので。

強いて言えば、最初にラストシーンがいきなりかぶる構成がまた素敵です。・・・詳しくは御一見を。