おかしな夢を見た〜「オールド・ファッション」

先日、おかしな夢を見た。

いつも、私の歴史(?)というか、社会に関する夢はそうで、細部は覚えていないのだが、結局、浅草かどこかにある日本では、ゲテモノの部類に属する服屋が、アメリカに上陸して大活躍している、とか言うヘンな夢だった。ま、ありがちな話ではあるが。

それで、何となく思い出して、この本(注・蓮実重彦江藤淳が東京ステーションホテルで対談していた)を読み直していたのだが。

日本の風景は、この戦後60年で、嘘のように変わったなと思った。

先日の夢を見る前に、クドカンの「タイガー・ドラゴン」をたまたまレンタルで見て、原宿で怪しい服屋をやっている、若き日の岡田准一の面影があったので、そんな夢をあるいは見たのかも知れないが。

小六の時の愛読書が、私の場合、山本七平の、いやイザヤ・ベンダサンの「日本人とユダヤ人」であったりするのだが(これ自体、随分変わっているなと自分でも思う、)この本の要旨は、「日本と西洋は、非ユークリッド世界とユークリッド世界の如く違う。日本人が、西洋で本音を出せば気違いだし、逆も真なり」というものであった。

それから、30余年。

この本の要旨は、今でも変わっていないと思う。・・・現代日本の風景と言うのは、この180°正反対の原理に基づいた、価値観がごっちゃになって存在している、世界にも稀な奇妙な風景だろうと思う。「東京ステーションホテル」自体が、相当におかしい世界であることは言うまでもないんだが、「六本木ヒルズ」も、(すみません)20年後には、いや今も相当にヘンな光景であろうと想像する。

現代の日本人って、(あるいは私だけかも知れないけど、)皆が皆、もう発狂寸前で働いて、子どもを持って、「普通」に生活してるんじゃないかと思ったりもする。ちなみに、「発狂寸前」というのは、別にしゃにむに頑張っている、という意味ではなく、(それも含むけど、)存在している事自体が、深く重く考えると、収拾がつかない程に、混乱しきった社会なんじゃないかなぁと思ったり。

よく、「発展途上国の子供の目は明るい」と言いますね。「明るい」とは、「何も考えてない」という事でもあったりはする訳ですが、実は、それが一番人間にとって幸せな状態に近いんじゃないかとも思ったり。・・・つまり、動物に限りなく近い状態でもある訳ですが・・・。

一億、総哲学者、というような状態もどうかな、と、ふと思いました。・・・みんな、自己史とか出したがる時期もあったよね、そう言えば。今、それがブログに取って代わっているんですかね。なんて。