中年専門職おじさん頑張る!〜「ハッピー・フライト」

この映画のメインは、新米操縦士(田辺誠一)が、いかにして機長昇格への初の国際線フライト(と、言ってもハワイ行き)をこなすか、新人CA(綾瀬はるか)が同じく、天然キャラもろ出しでいかに上司にしごかれるか、というところにあるのだが、

実は、それよりこの1回こっきりのフライト(結局、成田に帰ってくるというよくある話)に関る、専門職達の頑張りが面白い。特に、中年もそろそろおさらば、と言った窓際族達の描かれ方が秀逸なのである。

例えば、飛行機に寄って来るカモメを空砲で打ち落とす、バードパトロール、通称バードさん(ベンガル)。(愛鳥協会にこの人がからまれたが故にやっかいな事になる。)寸前で、機長交代するいかにもお人よしのいい加減ベテラン機長(小日向文世)。

「やっぱり飛行機怖いわ〜」と泣き叫ぶ乗客を、一言で落ち着かせるグランドマネージャー(田山涼成)。そして、最高に格好いいのは、メカには弱いので、普段は部下のしっかり女性に抜かれてぼんやりしているが、PCが台風でいかれた途端、飛行場の模型を職場に持ち込んで、見事にフライトをサポートするベテランオペレーションデイレクター(岸辺一徳)だろう。

そういえば、綾瀬はるかを心配して、わざわざ空港にやって来るお父さん役(チョい役だが、特別出演に近い)柄元明も面白い味を出している。

主演の田辺誠一自体は、どうも次のフライトでも失敗しそうに思えるコケぶりだが、こういう中年(老年?)おじさん達を見ると、つい嬉しくなってしまう私である。まだまだ日本は大丈夫かも。