THE MAN〜「北斗の拳」

私は、基本的に少年マンガを読まない。熱心に繰り返して読んだものというと、新谷かおるの「エリア88」くらいしか思いつかないが、実はその他に、この「北斗の拳」と「あしたのジョー」あと、「銀河英雄伝説」(これは正確には、もとが小説なのだが・・・)くらいは読んでいた。

今回、なんでこの作品を取り上げようかと思ったかというと、ラオウという敵役の造形がすごいからである。

このラオウと言う男。・・・はっきり言って、物語の前半と言うか山で出てくる副主人公、レイは、まだ女の顔の区別が一応ついている。いや、実際はレイにも、女性は全部同じ顔に見えているのかも、あるいは知れないが、原始的な形とは言え、曲がりなりにも女性を「人間」として認識(・・・してるのかなぁ)しているように何とか見える。

ところが。ラオウの場合。女というのは、一種の動物扱いというか、極端な話、女なら人間でも牛でも馬でも、猫でもさして変わりないと思ってるようにしか思えない。

したがって。キスとか面倒くさい、それより浣腸させろといいそう。アナルセックス大好きそう。縛るのも好きそう。(お下劣な話題が続いて大変申し訳ないが、)しかしそういうある意味での「THE MAN」なのである。

しかしなぁ。こういう強い男にくっついて行けば、この乱世でも(水さえあれば)LUSHの石鹸で毎日身体が洗えることにはほぼ間違いない。けど、そういう覚悟の女性ってどんなんだろうか。単純明快だから、服従するのは楽そうだけど、夫婦の心理的な繋がり言うものがなんかまるでなさそう。・・・そこが、逆に楽ちんで仕方ないという女性もいるのでしょう。敬服。

ちなみに、私は冒頭で出て来て、散々苦労しているひねくれっ子のバットと、いじめられっ子のリン(両親が目の前で殺されて、生意気に突っ張っているが、あとで可愛くなる)が好きでしたね。第2部では、この二人が、すごくいい男と女になって出てくるので、未読の方、是非読みましょう。