女と思想の両立〜「無理だ!」

ある種の、ある年齢以上のインテリ男性にたまによく見られる、勘違いの中に、「俺のために飯を作って欲しい、それでいて自分の思想は持っていて欲しい」というのがあるけど。これ、現代の庶民の日本人には、絶望的なまでに「無理だ!」なんですよ。

・・・確かに、飯を作る男と言うのはいる。しかし、それと「誰かの収入をあてにするために機嫌を取りつつ、毎日飯を作り続ける」と言うのは、似て非なる生活なのである。

こう書いて、いわゆる主婦の方々に少々失礼なら、もうちょっとリアルに書きなおすと、毎日誰かの精液のついたパンツを洗い、そいつとの夜の生活で、しわのついたそいつに買ってもらった僅かな服を洗濯して買い物に行って、また飯を毎晩作って、近所の人に会ったら、「○○がお世話になっております」と、挨拶するとゆう、Mというよりもっと惨めったらしい何かを、雄々しく抱えながら生きてるのが「主婦」という生き物なのである。

なんか、余計失礼な言い草になったような気がしないでもないが、ここに「姑」とかが加わると、更に話はこんがらかる。・・・一体、こういう生活を24時間していて、「自分の思想」なんて持てると思いますか、そこのアナタ。(「無理だ!」でしょう!?)ま、X’masに子供に手作りケーキ作ってみるくらいが、精いっぱいの自己表現であったりするのが「普通」であろう。

もっとも。自分の思想というものを持った女性も、リアルで友人に確かにおります。・・・しかし、そういう女性と言うのは、得てして精神病院に何度も入院したり、事実上「女」になることを諦めたり、そういう世間的な十字架を背負いながら、しかし自分の時間と自由だけはたっぷり持っている。

じゃ、「いわゆる自分の仕事を持った主婦ってどうなのよ?」と聞かれそうですが。実際には、そういう人って99%が、俗流思想しか持ってません、というのがこれまた現実であるような気がする。・・・「兼業主婦」ってもの凄くハードだからさ、世間の優等生だからさ。・・・「個性」なんて追求してる暇ないの。「個性」って、孤独から生み出されるものですから。

とどのつまり。嫁に「思想」を持って欲しい、と言うのは、現代日本の政治家に「芸術家」であって欲しい、と言うほどの無理難題です。・・・いわば、鳩山首相に「鳩ポッポ」以上のカラオケの技量を求めるようなもんだと思うんですが如何。