彼女は昨日恋人と喧嘩をした
それはとても悲しく思えて彼女はお風呂で泣いた
それから化粧を落とした顔で深夜に小説にその経緯をつらつらと書いた
彼女は生きる
彼女は恋をする
やり方は医師やカウンセラーやセラピストや友人が教えてくれる
彼女は歩いてゆく
彼女は人生と言う舞台に立つ
怒ったり泣いたりする
それからふっと目をあげて天井を見る
昨晩インストラクターの一人が夜は早く寝なさいと言った
道理である
彼女は寝る
一人で起きる
たまに恋人のペニスをくわえる
彼女は化粧をする
ときどき舞台裏で本音をぶちまけたくなる時がある
明日は財産の管理を覚えよう
回復は舞台に立ち続けるようなものだ
生きている振り
愉しんでいる振り
彼女は歩く
歩き続ける