彼は彼女を抱きしめて長いキスをした
そんな事が出来るのは彼が詐欺師だからだ
ほっとした彼女にさよならと言って彼はドアを開けた
それからまた来ると告げた後次の女の待っているホテルへ急いだ
彼は女と喧嘩をした
彼は彼女が懐かしくなった
あのずっと脅えていた彼女にだ
でも彼は彼女の父親が怖かった
そう告げたら彼女は怒った
いつも今現在の事だけを考えている彼には訳が分からなかった
彼は癇癪を起して電話を着信拒否にした
だけどまだ彼女を抱いていないことに気づいた
彼はいつも天使のつもりでいる悪魔で
それにふと気づいた彼女は彼を相棒にしないことに決めた
彼は理解していた
彼女も理解していた
それでも
恋人よ汝の名は男なり