被災地格差

一昨日の夜(?)であっただろうか。郡山市でやってる、福島復興支援(正式名はよく分からない)コンサートには度肝を抜かれた。

まず、出演者のメンツが半端でない。ドリカム、加山雄三、桑田圭祐、SMAP他(ちょっと見の間に出たメンツ)と言った豪華絢爛なメンバーである。しかも、曲目がまたすごい。全盛期の持ち歌ばかりである。特に、桑田圭祐はスぺシャルで、尾崎紀世彦の「また会う日まで」と、ザ・ピーナッツの「ウナ・セラ・ディ東京」を歌っていた。・・・音楽好きには、(いや、でなくても)一度生で聞いて感動でぶっ倒れてみたい演目である。

ところが。

(過去ネタで申し訳ないが)私の友人であるところの、ライフラインの仕事をしているA君は、なんとアパートがこのホールの隣にあるのに、これを無料で見る資格がない、と言う。(ちなみに、金をたとえ払っても見られない。何故ならチャリティだから。)

A君は、確かに被災者ではない。・・・お人よしがたたって、地震の後福島に、(会社によって)いわば飛ばされた身である。しかし、A君は仕事とはいえ、毎日被災者のガスボンベの取り換えをしている。・・・原発30km圏内に、居残っている家のガスの工事に行くこともある。浸水にも2回遭っているし、(その際、大事なプリンターがおしゃかになったという、)地震と雨に濡れる恐怖はただものでないらしい。実際、関東に帰ってきたとき、見せられたA君の放射線測定カードは、殆ど危険区域の焦げ茶色に近くなっていた。

しかし、仕事で疲れて帰ってきても、隣のホールのコンサートは見られない。何故って、彼は「被災してない、被災者じゃない」からだそうである。

それってなんか変、いやものすごく変。

頭のいい彼は、「被災地格差だよ〜」と言って、「それより防護服やっと買ったんだ」と、半分泣くように言った。