飛翔するとき

初めて出会った人

その人は、私のすることを感心して、お世辞でなく褒めた。 ・・・一緒にいると僕は幸せだ、と態度で示してくれた。 その人は、本当に本当に私の存在を大事にしてくれる、初めての人だった。 私はその人がこわかった。 とてもとても幸せだったのでこわかった…

「父」という名の人

それでは、私の「父」という名の人はどうだったのだろう? 「父」は私が嫌いだった。 その人は、いわゆる性的虐待すら、しなかった。・・・ただ、本当に怒ると殴るだけだった。 「性的」に、「父」にとって私は一文の価値もなかった。 「父」はひたすらこう…

愛人

元BFだった人は、別に暴力は振るわなかった。・・・命令するわけでもなかった。 ただ、物事を断定的に言う癖があった。 彼はたぶん、私のつくるご飯と、私と言う女性の肉体が気に入っていただけだった。 ・・・それは恋人と言えば言えたのかも知れないし、…

被災地格差

一昨日の夜(?)であっただろうか。郡山市でやってる、福島復興支援(正式名はよく分からない)コンサートには度肝を抜かれた。 まず、出演者のメンツが半端でない。ドリカム、加山雄三、桑田圭祐、SMAP他(ちょっと見の間に出たメンツ)と言った豪華絢…

生きる

老いるということ マニキュアをした指の皺が気になるということ アイクリームを厚めに塗ること たるんだ腹にコルセットを巻くこと 病むということ 痛む腰を引きずって整形外科へ行くこと 湿布を大事にすること 夜風呂にゆっくりつかって五十肩をいたわること…

梅雨明け

夏のうだるような午後 窓からは非常用の螺旋階段が見える 毎日 この階段の裏に広がる青い空と雲を見てきた 空は曇って ときには雨模様の日もあった でも 必ず一歩一歩 この螺旋階段を昇るようにこれまで歩いてきた たとえ人に憎まれても 疎んじられ裏切られ…

夢うつつ

夜中に、熱を出した。 ・・・もう81の父は、全くあてにはならない。苦しくてたまらないので、救急車を呼んだが、私の意識がはっきりしているのと、近くの良心的な病院が全部満床なので、結局「搬送拒否証」にサインをして、マンションに帰ってきた。セデス…

自殺報道について

最近、いじめによる自殺の報道が多いらしい。私は、あまり見ていないが。・・・見ると、暗澹たる気分になるからだ。 何か、世の中の方向性が違うような気がする。 いじめられっこを、今の世の中はかばわない。それでいて、その子が自殺した途端、特攻隊でも…

こころの病について

こころの病に対して、よく「頑張れ」とか「前向きに」「明るく」と言う意見があって憂鬱になる。 こころの病のつらいところは、ただ理由もなく毎日毎日がつらいことだ。生きているのが楽しくないことだ。・・・自分に価値が感じられないということだ。 それ…

シャボン玉と映画

TVで人気ドラマだった「ホタルノヒカリ」の映画を見に行ってきた。日曜日で、映画館のフロアーには年配のご夫婦や、若いカップルや女性の二人連れなど、いろんな人がいた。私は、最初我慢していたのだけれども、とうとう美味しそうな匂いに負けて、大きな…

頑張ることの功罪

この6月いっぱいで、私は参加していた自助グループを全部やめた。 やめてよかったことの一つは、自傷行為がやめられたこと、もう一つはアダルトチャットが全部やめられたことだった。・・・なんでかよく理由はわからないが、とにかく自助グループをやめた途…

詩の朗読会

日曜日に、友人の詩の朗読会があるというので新秋津まで出掛けた。 マンションを出た時点で小雨が降り始めていた。武蔵野線は、比較的空いていて席に座れた。いつもの電車より窓から見える光景には緑が多かった。ごとんごとんと揺られてついた、新秋津駅から…

夜歩き食べ歩き

日曜日の朝、疲れて昼近くに目が覚めた。何かしないとなぁ、と、ご飯に味噌汁にささみのチーズフライに、千切りキャベツと南瓜の煮たのを作ったけれど、そこで元気が尽きた。…ぼんやり、ネットサーフィンをしているとあっという間に夜が近づいてきた。 普通…

桜色のネイル

梅雨の晴れ間の日曜日。中学時代の友人たちは、自転車レースだ、子供と博物館だとフェイスブックではしゃいでいる。ひとりものの私は、することがないので、剥がれたジェルネイルを塗り直しに街に出ることにした。 美容院にしても、ネイルサロンにしても私は…

天窓

久しぶりに、池袋へ行った。行きに、梅干とじゃこのお握りと、鮭のお握りと小さな唐揚げと卵焼きのセットを買った。それからスクールについて机や椅子を動かして、皆の席を作った。 帰り道に、パン屋に寄って3人でお茶をした。私はレーズンのスコーンとアイ…

自信と自身

わたしはこれまで、自分自身に自信がなかった。 だから、いつも男の人に救いを求めていた。 でも、他人はしょせん他人なのだ。・・・ある他人が全面的に自分を救ってくれることはないのだ。 もちろん、私だって友達は大事だけれども、 でも、他人に依存して…

遠くまで来た

雨の中、赤味噌と片栗粉とピエモンテ・ミントのフリスクを 深夜のスーパーの地下で買って、真っ赤な傘をさしてひとりきりのマンションへと歩く ずいぶん遠くまで来ちゃったな 今はもうない 実家で引きこもっていたころは、赤味噌の値段も、 ひとりぼっちでフ…

夢を見た。 3歳くらいの時だ。私はバスに乗っている。終点についた途端、停留所のお寺の後ろからゴジラがぬっと顔を出した。ゴジラは火を噴いて暴れている。 私は怖くなって走って逃げた。でも、バスに一緒に乗っていた父は、喘息のせいでゆっくりゆっくり…

立夏の雹

雨が降ってきた また雨が降ってきた 私は最近めったに外に出ない だけど ふとさみしくなってあの人にメールをした 「また会にいらっしゃい」とやさしい返事がかえってきた 自分を変えるのはつらいことだ でも 冬の羽毛布団をクリーニングに出そうと 外に出た…