初めて出会った人

その人は、私のすることを感心して、お世辞でなく褒めた。

・・・一緒にいると僕は幸せだ、と態度で示してくれた。

その人は、本当に本当に私の存在を大事にしてくれる、初めての人だった。

私はその人がこわかった。

とてもとても幸せだったのでこわかった。

いつか去って行ってほしいと本当に思った。・・・その前に、嫌われるのがこわかったからだ。

その人は、ほんとうにある日ふっと姿を消した。

私は泣いた。

生まれて初めて激しく泣いた。

その人は、私を裏切ったのではない。・・・ただ病に倒れたのだ。