問題児のプロたち

思い出すと、私が回復途上にいるとき、助けてくれたのは「問題児のプロたち」だった。

こう書くと、「問題児を扱うプロなの?」と誤解されそうだがそうではない。・・・むしろ逆で、本当の援助職のプロと言われている範疇からはみだした、「援助職の中のはみ出し者」達であった。

彼ら彼女らは、私との関わりにおいて、きちんとした「他人」としての境界線を引かなかった。時には押しつけがましいまでに、私に回復を強いてきた。最初、お世話になっていた介護ヘルパーさんもそうだったし、通いつけのクリニックのPSWもそうだった。ネットで出会った精神科医もそうだった。

そこで(そういう関わりの中で、)私は、自分の両親を客観視することを学んだ。

そういう「問題児のプロたち」(「プロの中の問題児」と言った方が適切なのかも知れない)は、被援助者との衝突を恐れなかったし、自分が、私との関わり方について上司から(あるいは私の両親から)責められても、一向平気だった。

そこにあったのは、「信念」と言うのもあったが、究極一種の「親心」であったのだと思う。

いつか、あるブロガーさんに言われた事だが、「世間様と言うのは、あなたのしたことであなたの親兄弟を責める人たちのことだ。世間様に人は喰わせて貰っている」と。

「問題児のプロたち」は、今は世間から消えてなくなりつつある「世間様」であったのだ。

そのことを、私は忘れないようにしようと思っている。