文化的焼け跡の風景〜「第61回紅白歌合戦」

ちょっと遅れて来た感想だが、昨年末の紅白歌合戦を見て、思ったこと。

なんだか、紅白の舞台が「学芸会化」しているのである。・・・中学生の集団みたいな(←これは、昔の「老けた大学生」を見慣れた父の言であるが)AKB48が、芸とも言えないような芸を見せていたり、その後もなんだか、「愛と平和と僕とあなたと」という歌の連続ばっかりで、しかもそれが、「大人の観想」とは、どう考えても言い難い。

まるで、中学生高校生が、自分でつけた日記を、そのまま歌詞にして、ギターを持って歌っているかのような、「幼稚感」といえばそうだし、言葉を変えると、何とも言えん「さなぎ感」があるのである。

「僕とあなた」と言っても、学校の空間から一歩も外に出ない閉塞感。「愛と平和」と言っても、ロクな読書もせずに黒板に書かれた文字から考え出したにすぎない幼稚感。

これは、一体何なんだろうかと、真剣に思った。

結局、癌から生還した桑田圭祐が、すごい形相で「本当は怖い愛とロマンス」を歌っているのを見て、少々ほっとはしたのだが。(・・・後、例のキムタクがヘンなパフォーマンスしてましたね。最初、階段から下りて来る時、ポケットに手を突っ込んでそっぽ向いてるし、その後もスモーク必死で吹き消そうとして、宇宙飛行士の某氏にたしなめられたり。)

いや、キムタクの気持ち、勝手に分かるような気もするよ・・・。本当は、あの偽善に満ちた「トライアングル」なんか歌ってられっかよ、あほらしい。もうこんな音楽番組出たくねぇよ。桑田さん羨ましいよ。ってのは、ちょっと深読みか。。。

とにかく、来年のゲストは誰なんだろかと、深く考えました。でも、桑田と言う「1%の反抗児」を許しているだけ、まだNHKは「健全」なのかも知れません。なんて。