川口晴美の「lives」を読んだ。
多分、私はまだこの人の境地に追い付いていないし、きっと行きつくところも違うのだろう。・・・でも、ここには都会に生きる女にとって、刺激的なフレーズがいくつも織り込まれている。
万引きをした14才の少年に向かって、「荒んで壊れて、からっぽな体を一人で抱えたまま、理由も意味もなく生きていく覚悟をしなさい」。・・・あるいは、美術館についてきたオヤジに対して、「汚されても踏みつけられても、極彩色のゴミをかきわけて生きてったる。まずは、高尚ぶってついてきたこのオヤジを安モンのハイヒールで蹴り飛ばして、そのまま、いけるところまで、走ろ」。とか。
私は、この詩集を読むまで、自分がいかに男に媚びて生きて来たかよく分かっていなかった。
・・・自分は自分だ、変えられない厳かなものの一つだ。それを、どうしてここまで捻じ曲げて、私は恋をしてきたんだろうなとふと真剣に思った。
女は一人だ。
私には私の世界と感性を守る権利と義務がある。・・・それを邪魔する男は、容赦なく安モンのハイヒールで蹴っばしていいのだ。・・・義務を果たしていない若造には、体でそれを教えてやっていいのだ。
女よ、女よ、もっと強く自由にしたたかに生きよ。