人を尊敬する〜「Stand By Me」

私の今年の課題は、人を尊敬する事だ。

・・・私はいつも、他人を上から目線で見ているところがあったと思う。実の母親が、私を幼い頃からこてんぱんに馬鹿にしていたので、知らず知らずに強固な自衛手段として、そうなったかなと今振り返って思う。

人を上から目線で見る事は、自分の惨めさから目をそらす事だ。

本当のリアルの私は、ほとんど恵まれていなかった。親の愛情にも、お金にも恵まれていなかった。

と、書くと、「お金はあったんじゃない?」と言われそうだが、実際問題として、私は人から喜んでお金を与えられた経験が殆どと言っていいほどなかった。・・・父は、それなりの小遣いは与えていたけれども、それはいやいやという感じだった。

両親に、可愛いから服を買ってあげよう、必要だろうからお金を渡そうと言う姿勢が、基本的になかった。だから、私はいつもどこか精神的に不自由していた。・・・私の存在を、喜んでくれる人が周りにいなかったのだ。

つきあった男性が、200円でも800円でも奢ってくれると、私は有頂天になった。それは今、思うとすごく悲惨なことだった。

父が、本当にわたしのためにいやいやでなくお金を出してくれたと感じたのは、祖母の納骨の時に、お骨を代わりに持ったら、マクドナルドで100円のコーヒーを奢ってくれた時だ。・・・そのコーヒーは美味しかった。

そもそも、それ以前に、他人に本当の意味でお茶を入れてもらったことが私にはなかった。

たぶん、私に可愛げがなかったんだろう、とは今振り返って思う。可愛げを見せると母は私を陰湿に虐めた。それは死ぬよりつらかったから、私は人に可愛げを見せるのをやめた。

そんなことしなくってもいいんだ、と分かって来たのは極最近の事だ。・・・可愛げを見せても、いたずらしない男性を私はこの年になるまで知らなかった。・・・生まれて初めて普通にハグされて私は嬉しくて涙が出た。

貴重な体験を私は年の瀬にした。