やれやれな受賞

ノーベル文学賞の「中国行き」が決定した。

詳しい感想は省くが、私の所感は「ああ、日本人ってもう世界の文学的文脈では悪役になったのね」の、一言に尽きる。

それにしても、村上春樹は一種呪われた作家になりつつある気がする。・・・実は、「1Q84」を読んだときにすぐ、「ああ、これは春樹版『豊穣の海』だな」と思った。ちなみに内容的に共通点があるということでは全くない。そうではなくて、豊かだった才能が枯渇しつつあるような印象をふっと私は受けてしまったのである。

ちなみに、もしbook4が出れば四部作になるところもなんとなく似ている。

まぁ、三島由紀夫と違って、村上春樹はまさか「ハラキリ」はしないだろう。お得意の、「やれやれ」で済むと思うが。

しかしこれで、彼の中国擁護発言も墓穴を掘ったんだか、それともかろうじて体面を保ったのか、まぁ何とも言えず微妙なものになってしまった。

視聴率1ケタの松ケン主演の「平家物語」ではないが、まさに今回のノーベル賞の意味するところは「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」である。

と、いう訳で(?)今夜は彼のために一曲、ボブ・ディランの「天国への扉」でも聞きましょか。