2013-07-05 腕 BlackSwan あなたの腕は大きくて細かった抱きしめられて暫くじっとしていた部屋にはイランイランの香りがたち込めていてカーテンは静かな薄緑色だったそれから私は見たあなたの腕が四方八方に伸びてパキラの木のようにどんどん大きくなって部屋中をジャングルのように覆ってゆくのをすっかりマイナスイオンに包まれた寝室で私とあなたは安心して睦みあった父ライオンと子ライオンのように外は森閑としていて紺色だった時々上の部屋の人の寝息が聞こえた充電中の携帯のシグナルが二台枕の上で赤く灯っていた