りぼん

私は部屋着の胸元にりぼんをつけた

それから長い髪をりぼんで束ねた

引き裂かれたこころを隠すために

詩を綴って精神を蝶結びにした

でも夜になると

躰のりぼんがほどけてしまうのだった

心の傷はシフォンのりぼんで隠せない

体の傷は言葉の蝶結びで隠せない

りぼんを引き裂いた男は

平然とどこかで嗤っているのだった

あの女はおいしかったあの躰は旨かったと

そんな部屋の外の空気が嫌でたまらなくて

今日もわたしはいやいやと

靴のりぼんを縦結びにするのです