2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

残酷

残酷な人ですあなた・・・どこまで人に地獄を見せる気ですかわたしはただあなたの腕の中でやすらかに眠りたいのにどこまで登れというのですかこの世の泥沼は見飽きましたあなた こころの若い人あなた 足のたくましい人一人で勝手に神と語らっていて下さいそ…

一言

あなたは言った「僕でよければ役に立てて下さい」と・・・私には過ぎた言葉です私はあなたの何の役にも立てないあなたに心のこもったお茶の一杯を入れる事すらせいいっぱいです私はあなたの荷物になるかも知れない何も出来ませんそれでも一緒に歩いて行って…

登山家

時々思うあの人は何と険しい道を登って来たのだろうと・・・石ころだらけの道や激しい濁流や尖った岩山をものともせずに時が過ぎ清流に洗われてあなたはどんどん変わるあなたは勇敢な登山家私は道端の泥沼に咲く野の百合

ありがとう

ごめんなさい高飛車な物言いしてごめんなさいつんけんしてごめんなさい本当はあなたにもっと優しい暖かい言葉をかけてあげたかったです女の子らしくありたかったですあなたの胸の中で泣いて泣いて数十年の孤独を全て埋めたかったですありがとう本当にありが…

現代版フーテンとは〜「貧乏男子」

このドラマのテーマは思うに結構深い。人情家の現代大学生一美(小栗旬)は、人助けが高じて百万円の借金を、説教サラ金のオムオム(ユースケサンタマリア)から作ってしまう。この借金を見事返済して、一時はフーテンに転落しつつ、人生勉強をやり直して、…

芸術ど根性〜「ハチミツとクローバー」

ここでは、あくまで流し見をしているTVドラマの勝手な突っ込みをさせて頂きます。その旨ご了承の上。さて、このドラマの真骨頂は、「悲しくったってぇ〜苦しくったってぇ〜キャンバスの前では負けないのぉ〜」つまり「芸術ど根性もの」これに尽きると思う…

部屋

あなたの頭を優しく抱きかかえてこう問いたい「あなたの部屋がなかったのね」「あなたがずっと小さかった時に・・・」私には自分の部屋はありました誰も入ってこない茫漠とした部屋が子供時代がなかった私たち・・・沖縄かどこかで暮らしたかったね二人でひ…

空間

暖かいコーヒーの香りがして誰かがいつも心を込めて掃除した清潔な空間そんなものに初めて出会いましたここでは誰もが私を責めないここでは誰もが私を思いやり私は安心してこどものように眠っていられるそんな場所を初めて見つけました

荒地

草ぼうぼうの荒地の中に一軒の小屋を建てて一人の老人が住んでいる彼は昔の罪を悔い改めかつて自分と同じ過ちをおかしたその小屋にやってくる全ての人を白髪になって息絶えるまで救い続けるのだ・・・その道は遥かその道は遥か

あなたに会って

あなたに会ってから自分の足で歩きはじめたわたし・・・あなたには遠く及ばないけれど誰かと笑い誰かと泣き誰かとメールし余分なお金は使わないようにしています私には自分の気持ちがなかった私には自分の心がなかった辛い道のりをいつもあなたを思い出しな…

秋のショッピングモール

ショッピングモールを歩くたびに派手なブーツを履いた少女たちと賑やかなデートをしている青年の皆が貴方の若い時の顔に見えますわたしはすっかり痩せた顔に前よりきつめのメイクをして貴方と笑った時間を思い出しつつ気のおけない友人とバナナアイスクリー…

タクシー

タクシーに乗るたびに運転手さんの肩ごしに秋の空を見あげますまぶしい・・・あなたがあの青い空に舞う鳩のようにどこまでも 自由に幸せに向かって高く高く飛んで行く事を願います

Desperado

あなたは花びらあなたは雪あなたは盲目あなたは一人行く人あなたは嘘つきあなたはペテン師あなたは聖者あなたは捨てられた仔犬あなたは私が闇の中から見た光わたしを初めて愛してくれた人

純情男子☆LOVE!〜「キサラギ」

これは一人のD級アイドルの死にまつわる、ファン(小栗旬)・友人(小出恵介)・マネージャー(ユースケ・サンタマリア)・幼馴染(塚地武雅)・そして父親(香川照之)のある一日の密室劇なのだが、この5人のキャラクターは、「恋人」というものの5つの…

下町古典ラブロマンス〜「しゃべれどもしゃべれども」

この映画で見る落語家・三つ葉(国分太一)の出る鈴本演芸場はさびれている。ヒロインの十河も哀しいようなクリーニング屋に勤めている。そんな東京下町の舞台に花開いた、なかなかどうして骨格のしっかりしたラブロマンスである。この話は、三つ葉が噺を獲…

青春は常に人を欺く〜「黄色い涙」

1963年夏、東京阿佐ヶ谷のボロ下宿に、4人の男が集まる。それぞれ漫画家、小説家、画家、歌手志望の青年たち・・・うらぶれた彼らに寄って来るうらぶれた女たち。金になる仕事ではなく、芸術をとの志とはうらはらに、実生活はちっとも先へは進まない。…

黒い鳩

雨の向こうに 墓石がいくつも 寺の中に見える 四角い石の群れだ 人の心は 業と共に空をめざす

毎年甘い柿の木の下には ひきがえるの亡き骸が埋めてある カラスは実をつつく コツコツ 余った分は家族の食卓に並ぶ 甘ったれた子供が口にほうばる

仏壇に夏の日差しが当たると 僕はガラス越しに父の面影を見る 若かりし日 日差しをかいくぐり 山登りに夢中だった父 幼い頃から 家族の面倒を見 カレーライスを作り ボーリングが得意で 喘息で倒れるまで 経営と戦っていた父 五分しか歩けなくなっても 毎日…

余白

私一人の部屋に オード・コロンの匂いがみたされ まがいものの真珠が 鏡台の上に投げ出されている 贅沢な時間 まだ出社には時間がある 少し背すじが痛い 思い切ってTAXYを呼ぼうか 軽くストレッチして ラジオをつける きのうの指輪をそっと外し さあ月曜…

ナイトクルーズ

彼女が 僕の唇をチロチロとなめた ファースト・キス とろけるバニラアイス ゆっくりと 君にひたってゆきたい くいしばった歯をむりやり 舌でひらかせ 僕はただ 気が狂いそうになった あれは12才の夏 君はゆっくりと 服をはぎとり 僕の乳首をきつく噛んだ …

ジェリー・ムーン

おぼろ月見えるよ ぼくの部屋の天窓から 太陽が見えるよ 君の部屋の窓辺からもきっと まぶしすぎる君の昼 うまく言えない僕の夕方 うまく言えない うまく言えない 好きだってうまく言えないよ 夜になったら もうちょっとましかなぁ 早く夜に 早く夜になって…

はじめに

あらゆる倒錯 死のゆめ タバコの灰皿 あなたの爪 引き裂かれたラ・マンに捧げます

忘れもの

僕がつかまえてから なんだか おびえたリスのように笑う君 君は孤独に慣れすぎている だから 僕はかごを作って 君の親代わりをしたかったのに うまく笑えない君 時々インク瓶を投げる君 レースのおりを作って 閉じ込めた僕を憎んでる 急にロングヘアをあっさ…

熱帯夜

いつも悪夢からはじまる目覚め 灼熱の夏 ブラックコーヒーを飲んであたりを見わたすと いつもと同じ光景 でも何かがちがう 君がいた頃とは 心は南へと向かうタヒチへと いつもゴーギャンになりたいと思っていたあの頃 笑顔の裏に氷の心 隠しながら 俺をがん…

悲しいほど綺麗なピエロ

女の子は王子様を夢みる 男の子は大工さんを夢みる 二人は出会って愛する でも男の子は王子様にはならない 女の子の心に千本の釘を打ち込むだけ 女の子は弱い 女の子は悲しい 悲しいほど綺麗なピエロ

家庭

おじいさまとおばあさまと小ムスメが いっしょに住んでいます おじいさまはおばあさまが好きでした おばあさまもおじいさまが好きでした でも二人とも小ムスメがきらいでした 小ムスメも二人がきらいでした 小ムスメは何回も家出を考えました しかし 逡巡し…

ロイエンタールの娘

その瞳には燃えさかる炎があった 顔の輪郭には氷があった しかし同情はいらぬ 彼女の咎は問うべくもなくも もしそれを贖うならば 千本の鞭よりも 血の如くに紅い したたるその唇に 無惨なる口づけをもってせよ

母の顔色の悪さを見るとき 幼い頃を思い出す 公園の砂場で砂鉄を取ったこと 海で得意のクロールをしたこと 気管支炎になるといつも 隣のおばさんから大きな葡萄をもらい 父の書斎で伏せりながら皮をむいたこと もはや子を作れない年齢になって 初めて思うこ…

自由

うぐいすが来る 抹茶色の背中 美味しそうに水を飲む はばたく 私も思い切り水をもらってはばたきたい この家は小さすぎる のどもとがヒリヒリする