2009-08-30から1日間の記事一覧

恋愛によって人間は変わるか?〜「男流文学論」

この本は、一応フェミニズムの本と言う事になっているが、語られている内容はもっと深い。それは一言でいうと、「恋愛なる幻想」について語っているかのように思える。 確かに。恋愛によって人間は高揚し、一瞬の深い快楽が得られるけれども、それが人生の全…

フライパンで殴りたい〜「きのう何食べた?」

世の中には、どんなに好きでも、一緒に暮らしたくない男と言うのがいる。・・・唐突で、申し訳ないが、この短編集の主人公、筧史朗は、まさしく私にとってそういうタイプかと思われる。 実は以前。ある男性を、その男性愛用のコーヒーメーカーで「殴り殺した…

回避依存症者〜「男は寡黙なバーテンダー」

私は、森脇真末味と言う人の素顔を(当然の事ながら)知らない。・・・が、おそらくかなり男っぽい人なのであろうと言う事は、作風から何となく想像する。で、その中の傑作がこの「男は寡黙なバーテンダー」である。 ・・・作家と言うには、もちろん想像から…

父の影〜「赤い袖」

今市子の、たった4Pのフルカラーの短編。で、あるが、この内容は2時間ドラマの内容のような濃密さである。それほどに、作家の手腕が遺憾なく発揮された作品である。 主人公・暁子は、おそらくは地方の旧家で父親と二人暮らしをしている。父親は、画家かあ…

親は子供を愛するか?〜「Blue Moon」

いきなりのタイトルで恐縮だが、森脇真末味という人は、作家生命を通じて、この主題を追った人のような気がしてならない。で、その集大成が、この「Blue Moon」であるような気がする。 で、ここで出ている答えは、「NOの場合もある」でしかないよ…

マジョリティ

あなたはマジョリティ よく笑い よく食べ よく稼ぎ よく太るようになり 教科書どおりのことを言い それと正反対の嫁を持ち 理論武装して マイノリティを排除し ニートの子供を持ち 人間には強さと前向きが全てだと言い 私の大嫌いな マジョリティになってい…

ホテル・Kでつかまえて

繁華街のホテルで 戯れに鬼ごっこをして 若さと体力に秀でた貴方が あっけなく勝ったけれども 世間の鬼になった 貴方には 2度と詩が書けない 気の利いた結婚式のスピーチや 回りを唸らせるミーティングでの発言は出来ても 私はまだ詩が書ける どんなに男に…

爪跡

別れた男はいつも爪跡を残したがる躰に携帯にブログに確かに俺と言う男が存在していたと忘れた頃に一度は爪跡を残したがる

浮気と言うアディクション〜「すこしだけ意地悪な告白」

私は、結婚と言うものをした事がない。よって、浮気と言うものについて語る資格も本来ないのだが、この作品を読んで、少し書いてみる気になった。 「浮気」というのは、要するに一種のアルコールと同じであるらしい。・・・最初、よく働きながら、しかも家庭…

自分は変えられない、他人も変えられない〜「大人の問題」

なんか、当たり前のようなことをレビューの題名にしてしまったが、今市子と言う人の基本スタンスはこれだと思う。 人は、基本的に変えられないし、自分と言うものもそうそう変わるものではないのだが、得てして「変えられた」かのように錯覚する瞬間が世の中…

日々の翠

働いていると 色々な事が 心に染み通るようによく分かってくる 人の心ばかりを 玩んでいるのは 不幸な人達だ 日々の翠が色付く様に 色んな事が 哀しい様に分かってくる

一人でいると

一人でいると あなたの事ばかり あなたの事ばかり あなたの事ばかり 考えている 昼も夜も あなたの事ばかり 考えている とても甘くてつらい

夜がつらい

夜がつらい 昼間はいい・・・ 働いたり 他愛もない世間話をしたり 突っ張ったりしている内に 夜が来る ベッドの中で 貴方のことしか考えられない 秘密の恋 とても心も身体もつらい 夜が明けるのを ひたすら待つしかない

いつの間にか

いつの間にか 自分は一人ぼっちではないと 思えるようになった あなたのお蔭です ありがとう あなたともっと付きあえば もっと色んな事が分かったと思うのだけれど 勇気がなくて 出来なかったです あなたの荒療治はひどく効いたよ ドクター 本当にありがとう